ナニサマのたった1ページの日記

ナニサマのいわゆる書がおいてあるところを片付けていたら、1冊のノートが出てきた。

パラパラとめくってみると、何も書いてない。

ん?

初めの何ページかは、暗号のような〇印がいっぱい。

 

ああ、そうだった。

ナニサマはボランティアで「点字翻訳」をやっていたんだった。

きっと、マニュアルがあるのだろうけど、ナニサマは、一つ一つ丁寧に手書きでノートに写していたのだった。

そうすることで、記憶させていたに違いない。

真面目で几帳面なナニサマらしい。

 

あとは、真っ白。

 

ん?

すると、最後の1ページに、短い文だが、ナニサマの日記らしい文字を発見。

脳梗塞で倒れて運び込まれた最初の病院を退院して、リハビリ病院に移った後の内容だった。

 

リハビリ病院に入院して9日目とあった。

まだ同居していないときである。

富山から義弟一家が見舞いに来てくれて、とてもうれしかったと記してある。

そのあとに

「makoさんが昼過ぎに来てくれた。洗濯物を取りに来てくれた。

いつもありがとう、お世話になります」

とあった。

ちょっと心がウルっとなった。(笑)

 

日記といえば日記。

たった1日のそれだけの日記。

 

ナニサマにも心があったんだと思ったら、少し救われた。

Source: 鬼嫁介護日記