日本介護支援専門員協会が介護支援専門員の代弁者ではない理由

僕は介護支援専門員の熱烈なサポーターである。

僕はその資格を持っているが、介護支援専門員の実務に携わっているわけではないし、今後もその実務を行う予定もない。その僕がなぜ介護支援専門員を応援しているのかという理由ははっきりしている。介護支援専門員の存在によって、暮らしが支えられている人がたくさんいるからだ。介護支援専門員が地域の暮らしを護っているといっても過言でないからである。

この資格が誕生して以来、その有資格者の皆さんが地域での様々な支援活動の実績を積み上げていることが、「日本の福祉の底辺」を確実に引き上げているということは、過去にこのブログ記事の中の様々な話題の中で取り上げて書いてきた。(参照:過去の関連記事一覧

介護支援専門員という資格と、その資格を根拠に働く人は、この国にとってなくてはならないものになっているのだ。だからこそ、こうした大切な人々を護ると言いながら、実際には国の操り人形のような活動しかしていない「嘘つき団体」を許すことはできない。

介護支援専門員の皆さんの活動を支える職能団体の存在は大切だとは思う。都道府県レベルや市町村レベルの介護支援専門員の職能団体は、頑張って会員に寄り添い、研修機会などの学びの場を与えて、その声を代表する活動を行っているところも多い。そうした団体については大いに応援したい。

しかし日本介護支援専門員協会という組織は別である。その組織にも、現執行部にもまったく信用が置けない。

そもそも日本介護支援専門員協会は、決して現場の介護支援専門員の声を代表する組織ではない。むしろその存在は、介護支援専門員にとって、そして国民にとって、百害あって一利なしの団体であると思っている。

日本介護支援専門員協会が、現場の介護支援専門員の声を代表していないという証拠はいくつかある。例えばその組織率の低さは、この団体が職能団体の体をなしていないことの証明でもある。ここ数年組織率が挙がっているそうだが、どのレベルで組織率の上昇を論じているのかと、むしろ悲しくさえなる組織率の低さだ。

しかし組織率が劇的に改善しない最大の理由は、制度改正や報酬改定のたびに、現場の会員の意識とは乖離した執行部の思い込みと価値観だけで、協会の声としてわけのわからない要望をし続ける組織の馬鹿さ加減に、多くの介護支援専門員がそっぽを向いているからに他ならない。現場の介護支援専門員にあきれられているという事実を、現執行部が感じていないこと自体が、会長をはじめとした役員が、雲の上でぼけている証拠である。

かといってこの団体は、非会員にだけあきれられているというわけではない。会員の声だけは代表しているのならば、会員の指示は受けられるのだろうが、決して実情はそうではない。

例えばこのブログ記事には「拍手ボタン」という機能がある。デフォルトで張り付いているので、僕もそのまま表示しているが、そこはいつもは数人程度~多くても60人程度の拍手数である。ところで今年に入って僕はこのブログの中でいくつか協会を批判するブログを書いたが、「日本介護支援専門員協会はきちんと検証・説明責任を果たしてください」という記事には、普段数人しかクリックしないその拍手ボタンが、現時点で708人という過去最高人数の人がクリックしている。

いかに日本介護支援専門員協会と、その意見書のばかばかしさにあきれている人が多いかという証明である。

それだけではなく昨日まで僕は9泊10日の講演旅行をしていたが、その間にこの記事の話題に触れて、日本介護支援専門員協会会員の方々から多数、賛同の声をいただいている。会費を支払いながら、会員を続けていながら、今回と役員にあきれている人が多いのだ。

その中には記事の中で書いた通り、小原副会長がなぜ、このことの批判にこたえようとしないのかという疑問の声を口にする人も数多くおられた。小原クン、自分たちがしたことの検証もしないまま、知らんふりを決め込んむだけで、いつまでも逃げ切れると思ったら大間違いだぞ。

しかしこの協会が一番信用が置けない理由は何かと言えば、それは過去の執行部の方針により、日本介護支援専門員協会そのものが、国の補助金によってなんとか存続が可能になったという経緯があるからだ。つまり日本介護支援専門員協会は、国の「ひも付き団体」であるという誹りを免れず、制度改正や報酬改定でまともに意見を言えない団体なのだ。

しかしこの団体が国の資金援助を受けて存続した経緯を知らない会員もいるのが現状ではないか。その方々は、「国から日本介護支援専門員協会に渡される7.700万円」を今一度確認して、その独立性がいかに怪しいかを確認してほしい。

2021年の報酬改定は、昨年と今年の2年連続にわたる介護報酬の+改定によって、それが足かせになり、より厳しい改定になる。それに先駆けて行われる制度改正においては、サービス利用時の自己負担割合について2割負担を標準として、段階的に1割負担を失くしていく方向で議論が進められる。

そんな中でこの協会の姿勢が再び三度問われるわけだが、国のひも付きで生き残った団体に大きな期待などとせられるわけがないし、国を動かす力があるわけがない。

こんな団体にいつまでも頼っていないで、協会の会員であることは都道府県レベルにとどめたほうが良い。そして現執行部の影響力がない、国のひもがついていない新しい全国組織を創設する方が、よほど介護支援専門員にとって明るい未来が開けるだろう。

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Source: masaの介護福祉情報裏板