介護支援専門員の終末期支援~福島市という場所で語らねばならないこと

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今年の2月初めころ、福島市介護支援専門員連絡協議会の事務局の方からメールをいただき、福島市で講演を行なうことになった。

その講演は、4月26日(金)14:30~16:30に、福島市保健福祉センターで講演を行なう予定である。テーマは主催者の希望で、「介護支援専門員に求められる役割~医療・介護連携からターミナルケアマネジメントまで」とされている。

内容についても、「終末期ケアマネジメント、看取り、医療と介護の連携を中心にお話を聞きたい。」と希望が出され、特に下記の2点は漏らさずに入れてほしいと依頼された。
・終末期ケアプランに求められる医療の知識
・ケアマネジャーの仕事の魅力、誇り

とても重要なことだと思いながら、気持ちを引き締めて講演スライドの作成作業を進めていた。そのスライドもどうやら完成に近づいてきた。

医療介護連携については、入院期間をできるだけ短縮しようという医療制度改革の風下にある問題で、国としては、医療から介護への付け替えを進めることによって社会保障費全体の抑制を図ろうとする意図を持っている。

しかしどのような意図が隠されていようとも、現実の状況として療養の場で暮らしを支援する必要性が高まり、それは介護サービスに医療が深く食い込んでくるという意味になるのだから、医療関係者・介護関係者の双方がコミュニケーションを密にして、お互いの仕事を補完しあう関係性を構築することが求められてくる。

その時、適切にコミュニケーションを交わす障害にならないように、介護関係者には医療の基礎知識が求められてくるし、医療関係者には介護の制度の基礎知識が求められてくることになる。

そして介護支援専門員には、日ごろから医療機関や医療専門職との情報チャンネルを確保し、利用者の持病を管理して健康に暮らすための支援計画を作成する姿勢が求められるし、病状の変化に対応したスムースな入院支援と退院支援が求められる。そのために昨年4月には、必要な基準改正が報酬改定と同時に行われたという理解を促さねばならない。

ターミナルケアマネジメントについては、それは実際に利用者が終末期になった際の支援やサービス計画の作成という問題にとどまらないことを強調したい。

最も大事なことは人生会議(アドバンス・ケア・プランニング:ACP)の過程を利用者が踏むことを支援するとともに、人生会議の中では終末期を含めた今後の医療や介護について、本人と家族が医療者や介護提供者などと一緒に話し合う際に、利用者の代弁者として、介護支援専門員がその使命を果たすことだと主張したい。(参照:人生会議の課題

それはリビングウイルの支援という意味であり、介護支援専門員が果たすべき役割として最も重要なことだと思う。

これらのテーマをどのような切り口で語るのかは、受講してみてのお楽しみとしたい。是非たくさんの皆さんに会場に足を運んでいただきたい。

ところで福島市での講演は3度目になる。郡山市やいわき市など他市町村の講演を含めると、福島県講演はもう何度目になるだろうか・・・。

最初に福島市にお邪魔したのは、あの震災の約1年後のことであった。

大きな被害を受けた福島県そして福島市・・・。あの時、介護支援専門員の皆さんは、自分も被災者であるにもかかわらず、利用者支援のために被災地を駆け回る方がたくさんおられた。そのことだけでも介護支援専門員という資格者は十分存在価値があると言えるし、介護支援専門員の誕生によって、日本の福祉の底辺は確実に引き上げられているということは、このブログで過去に何度も指摘してきた。

日本介護支援専門員協会の役員などが研修会で、「ケアマネの資格がなくなるかもしれない」なんて脅しをしているが、それが嘘であることを伝えてきたい。そのようなケアマネ不要論は存在しないことを正確に説明したい。(参照:介護支援専門員の未来を語ろう

そして福島市という場所で、終末期支援について語ることにも意味があることを肝に銘じたい。

あの震災でたくさんの方がなくなった地域である。家や土地や財産だけではなく、家族や思い出をすべて奪われた人がたくさん住んでいる場所である。

例えばそこには、家族をすべて失って一人になってしまった人が数多くいるのだろうと思う。近い将来独居のまま高齢期を迎え、やがて終末期を迎える人が他の地域よりも多いのではないだろうか。

介護支援専門員とは、そういう方々の終末期を含めた高齢期を支える存在である。そういう方々が孤独のまま旅立たないように支援を行う使命を持つ専門職が介護支援専門員である。

東日本大震災という悲劇を超えて、長生きしてよかったと思える高齢期を過ごすための支援を行う使命を持つ専門職が介護支援専門員である。

一人で暮らす高齢者の方々に、希望の光を届ける専門職が介護支援専門員である。そんな思いを伝えてきたい。
無題

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Source: masaの介護福祉情報裏板