日本介護支援専門員協会対応に怒る支部会員たち

今日は午後2時から福島市保健福祉センターで講演を予定している。その講演は「福島市介護支援専門員連絡協議会・総会」(於:福島市保健福祉センター5階大会議室)の中で、記念講演として行うものである。

僕の講演時間は14:30~16:30までで、テーマは「介護支援専門員に求められる役割~医療・介護連携からターミナルケアマネジメントまで」としている。このテーマは制度の方向性と関連してくるテーマなので、「次期制度改正に向けた財務省の資料を読んで」で触れた財政審の乱暴な提言内容にも触れる必要があるだろう。

ところで日本介護支援専門員協会という組織が、僕に講師依頼をすることは絶対にないだろう。なぜなら僕はかの悪名高い組織の批判者の急先鋒とみられているからだ。

しかしそのことを承知の上で、県レベル・市町村レベルでは、僕を講師として招いてくれる日本介護支援専門員協会の下部組織がある。

それというのも僕は一方で、介護支援専門員のサポーターを名乗り、一番声の大きい応援団と自称しているからだ。

それが証拠に、自分の著書「介護の詩~明日へつなぐ言葉」の「第三章 あなたがいるから地域で暮らし続けられる」では、介護支援専門員によってこの国の介護の底辺がいかに引き上げられ、介護支援専門員の存在によって、暮らしを護ってもらっている高齢者がいかに多いかということを「事実」として紹介している。この章のタイトルの、「あなた」とは、まさに介護支援専門員を指しているということが、本を読んだ方には理解できるはずだ。

だから次期制度改正に向けても介護支援専門員の仕事に役立つような提言を様々な形で行っている。

例えばICTの進歩で、テレビ電話機能を活用した会議が認められている領域があるのだから(※通所リハビリのリハビリテーション会議への医師の参加がテレビ電話でも認められるなど)、居宅サービス計画の作成に必要なサービス担当者会議も、テレビ電話を活用して行うことを認めて、介護支援専門員の会議参加への調整業務を省力化したり、月1回の利用者宅へのモニタリング訪問も、一定条件化でテレビ電話での状況確認で良しとするようにルール変更したりしてはどうかと提案している。

また昨年度から居宅介護支援費に新設された、「ターミナルケアマネジメント加算」について、その算定対象が「末期のがん」の利用者だけになっている点を改め、ターミナルケアの対象者すべてに拡大してほしいと要望している。

特に今後は、在宅生活を行っている人が、その居所の中で枯れ行くように亡くなっていくという自然死としての、「在宅老衰死」が増えるのだから、そのような利用者に対する支援が重要になってくるからだ。自然死にに至るまでに、介護支援専門員が積極的にリビングウイルの支援として、人生会議(ACP)に関わっていく必要性も増すのだから。よってターミナルケアマネジメント加算という評価を、「末期のがん」の対象者だけに限定して考えるのはおかしいと思うのである。

しかしこうした大事な提言を、日本介護支援専門員協会は全く行っていない。今のところ協会が行っていることと言えば、先に協会が賛成の意見書を提出した、「居宅介護支援事業所の管理者の要件の厳格化:主任ケアマネに資格を限定」することの経過措置の延長要望だけである。

この問題については、日本介護支援専門員協会の小原副会長が意見書を国に挙げて、その中で「管理者を主任介護支援専門員とすべきと考える」としている。その理由は、主任ケアマネになるためにはケアマネ実務5年が必要とされて、その経験がと主任ケアマネになるための研修受講が質の担保になると小原副会長は論じている。

経験と質は比例しないというのは子供でも分かる論理であり、寝ていてもよい研修を受けても質の担保にならないことはわかりきったことだ。そんな馬鹿げた理屈をかざして会員の声を無視して賛同して決められたルールの延期を求めるという訳の分からないことを行っているのだ。

おそらくこのルールに賛同することに決めた張本人である小原副会長への反発の声が強いことが、このようなブレブレの姿勢につながっているんだろう。

そのほかにも特定事業所集中減算の福祉系3サービスの継続適用も協会は求めている。

さらに一定回数以上の生活援助中心型サービスを組み込んだ居宅サービス計画について、市町村に届け出義務が課せられたルールが新設された背景に、日本介護支援専門員協会が作成した意見書の中で、「特定のサービスの頻回な利用については、国民健康保険団体連合会のデータを活用する等、焦点化したケアプランチェックや地域ケア個別会議等による検討をお願いしたい。 」と、積極的に届け出をしてチェックを受けるように懇願しているのである。そのこともこのルールが新設された理由の一つになっている。

しかしこの協会の姿勢については、多くの支部会員が疑問を抱いてそのことを批判している。全国の様々な講演会場でお会いする支部会員のほとんどの方が怒っておられる。協会の姿勢を支持しているのは本当にごく一部だ。

僕のブログやSNSには次にような具体的な怒りの声が寄せられている。
・ケアマネの資質って何なんだろ?5年やれば、見通しを立てたケアプランを書けるようになるって本当に思っているのかな?誰も教えないで?????しっかりとしたプランを書けるような環境もなくて???ベテランやなくて、成長するんやと思います。

・小原副会長に言いたいですね。居宅介護支援事業所の経営者で、主任ケアマネではない方々、お知り合いに何人かおります。管理者要件に主任ケアマネまでが加われば、廃業せざるを得ませんよ、と。色々言いたいこと、やまほどあります。

・その人って「事件は会議室で起きてる‼️」って、お気楽なひとですか???経験上、実務が10年あっても「使えねーヤツは使えねー」が、ワタクシの持論です

・主任ケアマネというだけでふんぞり返るようになりませんか???辞めなければ年数なんて誰でも稼げますよね。質問したら過去の武勇伝(と思っているのは自分だけ)を長時間語ってくるだけの人や、仲良し古株ケアマネと根拠のないQ&Aをして満足してるベテランと呼ばれる人が少なくないと思うのは私だけでしょうか。

・協会は会費だけ会員から取って、会員の意見は無視して国の顔色ばかり窺っているように思います。

これは協会会員の声のごく一部である。こうした声を無視して会を運営している現執行部は、あまりにもひどい非民主的組織に協会を貶めているという意味ではないのだろうか。そういう姿勢で、批判に対しては逃げの姿勢をとるばかりでいながら「全員スクラム」などとよくも恥ずかしくもなく口に出せるものだ。恥を知れと言いたい。

小原副会長には、マスコミに向けて何か言う前に、会員に向けてきちんと説明責任を果たせと言いたい。

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Source: masaの介護福祉情報裏板