運のいいナニサマ
介護の中で、何が一番大変かと聞かれたら何て答えますか?
私はやっぱり入浴介助かな。
夜中のトイレ介助も、きつかったと思う。
でも、実は通院も大変だった。
我家は、通院は基本、夫の担当だったので、私は夫が都合がつかなかった時だけ行っただけなので、数えるほどしかないと思う。
後半は、ほとんど歩けなかったので、車から車椅子への移乗なども力仕事だった。
通院で何が嫌かって、もうすぐ呼ばれるからというときになって、
「トイレに行きたい」
と決まって言い出すことだった。
訪問診療に代わって、本当に助かったことが忘れられない。
内科はまだしも、眼科や歯科などが入ると、ゾッとしたものだ。
今日、またまた施設から電話が入った。
今度は何事?
聞けば、ナニサマの奥歯に被せてあったものが取れたそうな。
(え?歯医者に連れていかないといけないってこと!?)
うわー、勘弁してよ。
と、思っていると、
「それが、我が施設に訪問診療で先生が来てくださる日があるのですが、実はちょうど今日が歯科の先生が来てくださる日なんです」
え!ええ!
それってラッキーな話じゃん。
「それで、診てもらってもいいですかという打診なんですが」
はあ~、いいに決まってんじゃん。
私、急ににこやかな声になって、
「診て頂けるのなら、よろしくお願いします!」
と頼んだ。
保険証等もみんな、預けてあるので問題ないと思われる。
バアチャン、運がいいねえ。
(イヤ、一番運が良かったのは、私たち夫婦かも(笑))
とにかく、病院に連れて行かなくてよかっただけで、大助かり。
神経質なナニサマは、治るまでチクチク言うだろうから、それだけでもホッとした。
帰ってきた夫にその話をすると、
「それは助かるなあ~。歯医者が来るなんてすごいなあ。だったら内科医も来てくれてもいいのになあ」
ですって。
送迎は施設がしてくれると言っても、付き添いは家族がしなければいけないので、夫にしてみれば、今までのように訪問診療だと嬉しいだろうね。
自分自身ですら病院に行くのが億劫なのに、付き添いとなると、しかも手のかかる付き添いとなると、やっぱりこれが一番面倒かもしれない。
施設にお願いして楽になったと思いきや、まだまだチョコチョコとあるんですよ。
Source: 鬼嫁介護日記