資格が仕事をしてくれるわけではない。
厚労省が介護福祉士か精神保健福祉士の資格を持っている人を対象として、社会福祉士の養成課程で必要な実習(240時間)を最大で60時間免除できるようにする方針を示した。
それに対して、「社会福祉士の資格を軽んじるものだ。」と批判する関係者がいる。馬鹿かと言いたい。
今回示された実習免除とは、受験資格を得る過程で共通している部分、つまりダブっている部分をカットするだけであり、すでにスキルとして持っているという前提部分が免除されてるだけだ。そのような免除で社会福祉士の資格が軽んぜられると思う方がどうかしている。
そもそも養成課程の実習過程がすべて必要だったのかという議論があって、無駄な部分はいたずらに受験者負担にすべきではないという考え方があって当然だ。なぜなら受験資格を得た人が必ず資格を取れるわけではなく、そのあとに国家試験というハードルもある。しかもその合格率はさほど高くなく、間違いなく介護支援専門員より高いハードルになっている。
社会福祉士になるためには、きちんと勉強して、それなりの知識を得なければ合格しない国家資格なのである、受験資格を得るための実習免除程度に、その資格の価値が左右されるようなものではないのだ。
そもそも、「資格は仕事をしてくれない!!」のである。
社会福祉士として使える人材になるかどうかは、資格を得た後にどれだけ勉強するかによって左右される問題であり、実務スキルが問われてくるのである。よって今回示された実習免除方針に目くじら立てる必要はない。
このことを批判している連中の欠の穴が小さすぎるという問題である。
むしろ働きながら社会福祉士の資格を取ろうとしている人にとって、仕事を休んで実習をしなければならないということは大きなハードルであり、そのために資格取得をあきらめてしまう人も多い。そういう人たちの中には、社会福祉士として大きく成長できるようなスキルの人がおり、そういう人たちが今回の免除措置で、少しでも負担感が減って受験してくれるようになれば、社会福祉士という資格者全体のスキルアップにつながろうというものだ。
この免除に目くじらを立てて、そのことを批判的にしか見ることができない欠の穴の小さい輩と、免除過程を経て資格を取得した人が、対人援助というステージで競って仕事をすれば、少しはこの国の社会福祉援助スキルが上がろうというものである。
我が国の現状は、少子化が止まらず進行する超高齢社会の中で、多死社会と人口減少社会というたくさんの困難が発生する。税源が不足する社会保障部門では、医療から介護への付け替えが進み、暮らしの場に医療が深く食い込んでくる。
よって社会福祉援助の専門家には、今以上の深い医療知識も求められてくるわけである。
そんなふうに社会福祉の領域は、かつて人類が経験したことがないほど困難で不透明な課題に向かっていかざるを得ないのである。だから人材は、できるだけ広く求める必要があるし、漫然と資格を有していることに胡坐をかいている輩は退場していただいて、資格を持った人の中でも、「仕事ぶりで競う」という現象が起きたほうが良いのである。
実習時間の免除方針にぐたぐた文句を言っている暇があったら、もっと自分を磨く努力をしなさいと言いたいところである。
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Source: masaの介護福祉情報裏板