一時帰宅は嬉しかったのだろうか?
夫が迎えに行って連れて帰ってきました。
その前に、夫婦でちょっといさかいがあって、私は口を利かなかったので、夫は一人で迎えに行き、帰ってきてからも私の手を煩わせることなく、一人でナニサマの手を引いて、車椅子に座らせていました。
何も言わないわけにもいかず、一応、
「おばあちゃん、おかえり」
と言ったが、チラッと私を見ただけで、自分で車椅子を片足で漕いで、いつもの定場所についていました。
すると、いきなり、
「今日はだれか来るのかね?」
と聞いてきたのだ。
「孫たちと曽孫たちが来ますよ」
と言うと、聞こえたのか、頷いていた。
そこから一言もしゃべりません。
私も一言もしゃべらず、放置。
お茶だけ出してやりました。
夫も車を駐車場に戻して、帰ってきたが、特にしゃべりません。
私と夫の間にも気まずい空気が流れていたので、3人とも沈黙。(笑)
ようやく次男一家が登場。
ナニサマ、姫の顔を見るなり
「○○ちゃーん」
と猫なで声を出しておりました。
それから?・・・それで終わり。(笑)
遅れること10分ほどして娘一家が登場。
孫くんの
「明けましておめでとうございます!」
の元気な声とともに、リビングに入ってきました。
ナニサマ、嬉しそうに、
「○○ちゃん、大きくなったねえ~」
と声をかけていた。
それから?・・・それで終わり。(笑)
何しろ耳の調子がまったくわからないので、声をかけても聞こえないことの方が多い。
そうかと思うと、突如会話が成り立ったりするから、面倒くさいです。
みんなと一緒にお茶するも、みんなのしゃべっていることが聞き取れないのか、途中からナニサマは完全に一人。
4時過ぎあたりから、時計ばかり気にしている。
みんなの顔を見て嬉しかったのは確かだろうけど、話に入ることも出来ず、自分から話すこともなく、手持無沙汰のようだった。
娘に言わせると
「おばあちゃん、座っているのがつらそうだったよ。横になりたかったんじゃないのかな」と。
とうとう「帰る」と言い出したナニサマ。
やはりもう、自分のペースでゆっくり生活したくなったのだろう。
夫がまた車に乗せてショート先へ連れて帰りました。
一応、みんなに
「ありがとう」と言って行きました。
最後に、私の顔を見ると
「makoさん、ありがとうね」
と言いました。
こうしてナニサマの一時帰宅は無事終わりました。
そして、彼女には里心なんてものは起こらなかったようでした。
昨日、ピンポイントで名指ししていたカーディガンを羽織って帰って行きましたけどね。(笑)
やはりあれだけ人の話を聞きとれなくなっては、生活していくのは大変だと思いました。
家にいても、病院にいても、ショート先にいても、ナニサマの様子は何一つ変わることがありません。同じです。
つまり、どこにいてもいいのだということがわかりました。
夫はこれからも時々、一時帰宅をしてやりたいと思ったようだが、今日の様子では特に必要性は感じられなかったのではと思いました。
クールです、バアチャンは。(笑)
私も後ろ髪を引かれる思いをしなくて済みました。(笑)
Source: 鬼嫁介護日記