懐かしいヘルパーさんの声
昨日、前に住んでいた家のご近所の方と久しぶりに会ったことを書いたが、その方が
「Mさん(我家のヘルパーさん)にこの間会ったのよ」
と言ったのです。
「お元気でした?」
「ええ、元気だったわよ。大垣にも遊びに行ってきたわ」
と。
我家のスペシャルヘルパーだったMさん。
彼女もご近所だった。
親しくさせて頂いた仲である。
そんな彼女がヘルパーの仕事を始めて何年か経ったときに、お会いしてナニサマのヘルパーを頼んだのは、介護を始めて2年ぐらい経ったころだった。
私が三味線のお稽古をしていたがために、帰りがいつも8時くらいになった。
その日だけ、ヘルパーを頼んだのだった。
働き者の彼女は、本当によく世話をしてくれた。
なかなか他人には心を開かないナニサマでも、彼女にはなんとか心を開くようになっていった。
一番ありがたかったのは、夕食を作ってくれて、ナニサマだけ先に食べさせておいてくれたことだった。
そんな彼女がヘルパーを辞め、家を売って、大垣で娘一家と暮らすことになったのだ。
彼女は明るい人で、友達も多く、こまめできれい好きで本当にいい人だったが、一つだけ大きな悩みを抱えていたのも事実だった。
ご主人の浮気。
浮気先から帰ってこなくなったのである。
一度は離婚も考え、まわりも皆、離婚を勧めたと言うのに、彼女は耐えたのだった。
しかも無類のギャンブル好き。
あんな優秀な奥さんが、なぜ見切りをつけなかったのか、謎である。
私は、彼女に、
「あなたは、旦那さんに支配されている」
と言ってしまったことがあった。
そんな彼女の声を聞きたくなって、本当に久しぶりに電話をかけたのである。
変わらない優しい声が返ってきた。
「ずっと心配していたのに、連絡もせずごめんなさいね」
と。
「おばあちゃんは、どうなの?」
どうやら私が突如電話したので、ナニサマの訃報かと思ったらしい。(笑)
「相変わらず、あの偉そうな物言い?」
その言葉を聞いて、やっぱり他人でもそう感じていたんだと思ったら、報われたような気がした。(笑)
「私だったら、あのおばあちゃんなら、2年が限界だわ」
って、なんかわかってくれる人がいただけで嬉しい。(笑)
積もる話がありすぎて、電話では物足りないので9月になったら会おうということになった。
あの放蕩の限りを尽くしたご主人が亡くなったそうだ。
話は長くなるので一応、続きます。
Source: 鬼嫁介護日記