その人の生き方
私の所属するエッセイクラブに90歳の高齢の男性がおられます。
親睦旅行にもご一緒しました。
待ち合わせの時間よりずっと早く来ておられて、恐らく一番にバスに乗っておられたと思います。
新聞を読みながら、時間が来るのを待っておられました。
帰り、その方のお宅が我が家の町内に近かったこともあり、迎えに来てくれた夫の車でお宅まで送って差し上げたことがあったのです。
先日、我が例会にいらっしゃって、私の顔を見るなり飛んできてくださって、
「あのときは本当にありがとうございました」
と、ご丁寧に頭を下げられたのです。
シャンとしたブレザーを着こなし、背も高いのでとてもダンディな紳士です。若いころは一流商社にお勤めになっておられたそうな。
90になっても、しっかりしたエッセイを書かれ、凛とした口調で自分のエッセイを読み上げる姿に、感銘した私でした。
我が例会の和やかな楽しい雰囲気にとても喜ばれ、また来たいとおっしゃってくれました。
何よりも90になって、夜の会に、家族の手を煩わせることなく、ご自分で運転してこられたとのこと。
高齢者運転はあまり賛成できませんが、この方のポリシーがそうさせるのかもしれないと思ったのでした。
今朝一番に美容院に行って、その足で姉のところに頼まれていた九州土産を持っていきました。
(写真が言うことききません(涙))
そのとき、姉の仲人の方が亡くなられた話を聞きました。
共に東大出のご夫婦でしたが、奥さんが長く患っておられたとのこと、介護を旦那さんがやっておられたとのことです。
その奥さんが亡くなられて、まもなくご主人が亡くなられたようです。
子供さんは皆、東京方面におられてご夫婦お二人の暮らしだったとか。90過ぎても、果敢にも妻の介護をし、亡くなった後も一人で暮らしておられたとか。やはり東大を出られた息子さんがおられたけれども、引き取ることはされなかったようです。本人が拒否されたのかもしれませんしね。
いろいろな生き方がありますが、90過ぎても人の世話にはならないと孤高に生きておられる方の姿に清々しさを感じるのは、私だけでしょうか。
Source: 鬼嫁介護日記