限界を設定しない強さ
先ほど、フィギュアスケートの全日本選手権男子の部が終わったところだ。期待通り、宇野昌磨選手が3連覇を遂げるという結果で終わった。
彼は、前の試合の練習中に右足を捻挫していたということだが、全くそれを感じさせない滑りで、観客を魅了していた。
捻挫くらいでへこたれない精神力が、彼には培われているということだ。それが一流の一流たる所以だろう。
それよりなにより驚いたのは、高橋大輔の復活だった。
5年ぶりの復帰だそうだが、現役時代よりさらに色気が増して表現力がさすがだった。
もう4回転は跳べないだろうと思っていたが、果敢にも取り組んでいたが、フリーでは封印してしまった。残念である。
それでも2位という結果に、本人が一番驚いていたようだった。
私はこの姿を見て、やはり感動した一人である。
32歳という年齢はフィギュアスケート界では、やはり想像を超えるものがあると思う。
女子に至っては10代ばかりの活躍が目を引くからだ。
体がまだ出来ていない細い方が、ジャンプは跳びやすいだろうから。
私が思ったのは、一流になる人は、それも超一流になる人は、自分の限界に線を引かないんだってことだ。
ジャンプの葛西選手もそうだ。
年齢で自分はもう限界だと区切らない人こそが、本当の超一流選手なんだなって思った今日の高橋選手だった。
彼の体は美しかった。
ストイックに鍛錬された体だった。
最近、自分も「ああ、歳だな~」って思うことが多々ある。
そして出来なくなったり、忘れたりすると、それをすぐ加齢のせいだと言って自分を納得させている。
それが自分を甘やかすことになり、人に頼るようになる要因になるんだろうなあって。
90過ぎてもシャンとしている人は、恐らく若いころから自分をきちんと律することが出来る人ではないか、と。
やっぱり気持ちなんです。
限界は自分で勝手に作って、自分を甘やかしているだけなのかもしれない。
私はナニサマのような体になったとき、あそこまで生きる力が持てるかというと自信がない。
そう思うと、ナニサマの精神力は大したもんだと思えることがある。
ただ強いのはいいけれど、もう少し他に対して優しくなってもらわないと尊敬する気にはなれません。
高橋大輔を見ていて、限界はだれが作るんだろうか、自分自身なのか、世評なのかとしみじみ思った瞬間だった。
Source: 鬼嫁介護日記