沖縄に向かっています。

僕は今、羽田空港のさくらラウンジでこの記事を更新している。

今朝7:10東室蘭駅発のJR特急を起点に、沖縄に向かっている最中である。現在北海道から沖縄への直行便がないため、今日は新千歳10:00発の羽田便を経由して、このあと13:00に羽田空港を発ち、沖縄那覇空港には15:55の到着予定である。

那覇に到着後はそのまま「うるま市」に移動して、今日の夕方と、明日の午後からうるマルシェという会場でセミナー講師を務めるための空の旅である。

セミナーの内容については「琉球介護コミュニティ協会の初セミナー」という記事を書いて詳しくし紹介しているので、そちらを参照願いたい。

先週末の長崎県南島原市講演から帰ってきて、4日後に再び沖縄に向かうことを考えると、北の端から南まで、短い期間でずいぶんと移動距離が長くなっているような気がする。長崎で4日間ゆっくり休養を取って、その足で沖縄に向かえばよかったかなと思ったりしているが、それほどお金や暇があるわけでもなく、それは夢のまた夢である。

今日の登別は氷点下5度だった。これから向かう沖縄は日中15度以上になる予報である。気温差は20度・・・。でも温かい場所に行くのだから、心は浮き立ち、体も快調になるというものである。

今日の夕方、うるま市では介護事業のサービスマナーをテーマにして講演を行う。ところであと3月もすれば、各事業者に新入職員が入社してくるはずである。

その時には新人教育を行うはずだが、その教育の中で介護サービス事業者として、顧客に対するサービスをどうするのかということを、誰がどのように教えているのだろうか。少なくとも日常的に利用者に、「ため口」でしか会話できていない職員に、そのような教育訓練は行えない。手本となる職員とは、日常的にマナーを持って利用者に接し、日常会話も丁寧語で自然に会話ができる職員である。そういう人がいない職場ではマナーの教育ができないということになってしまう。

それは今後の介護事業経営を考えると、顧客から選ばれる事業者にはなれないという致命的な問題を抱える事業者という意味になり、経営危機に陥る危険性を払しょくできないという意味である。

新人教育としてサービスマナー教育が有効になる唯一無二の条件とは、新人以外の従業員のサービスマナーが確立されているということである。そういう環境下において、新人は入社した時点で座学においてその基本的考え方と実践方法を学んで、そのうえで実地教育として、サービスの現場で先輩職員の言動を手本にして、座学で学んだサービスマナーを、OJTを通じて実践法として身に着けることができる。

しかし残念なことに、多くの介護サービス事業者では手本となる先輩職員がいないというのが現状だ。サービスマナーとは何か、なぜそれが必要かを理解していない集団の中に、サービスマナーを学んだ新人を放り込んでも、座学で学んだサービスマナーを実践に活かせるわけがない。汚らしい「ため口」が飛び交っている現場に、丁寧語を基本としなさいと教えた職員を放り出しても、1日もかからず先輩職員の汚いため口に侵されて、新人職員の言葉遣いも汚いものとなり、礼儀に欠ける顧客対応に終始する職員に成り下がるだけである。

だからこの時期に、しっかり自分の日ごろの業務を振り返り、改めて顧客に対するサービスマナー意識を高める教育は必要不可欠である。

僕のサービスマナー研修は、僕自身が介護サービスの場で自分自身が実践し、自分と仲間で作り上げてきたケアの品質に基づいてレクチャーする実践論だ。だから顧客に日常的に丁寧語で接して、マナーを持って接する介護によって、利用者の満足度を高めることは、きらきらポエムでも何でもない。

実践が伴わない空虚な人間が語る素敵な物語の中には、フィクションのキラキラポエムもあるだろう。しかしそんな表現とは無縁の経験を、僕たちはたくさん持ち合わせているのである。そういう経験ができなかったレベルの人間に、それはフィクションだろうとか、ポエムだろうと否定される筋合いは一切ない。俺のレベルまで上がってから文句を垂れろと言いたい。

人手が足りずに業務が忙しくて、利用者と満足にコミュニケーションが交わせないという状況は理解できる。それはある意味、仕方のないことかもしれないが、そうであるがゆえに、利用者とのコミュニケーション機会は、より重要と考えなければならない。そこでは利用者に会話でご満足いただけるように、ホスピタリティの精神を持って、丁寧な言葉で真心をこめた会話に努める必要があるだろう。

ばたばたした状況で、言葉も汚ければ、それは利用者を傷ついてしまう罵声にしか聞こえないだろう。そういう言葉を日常的に使う職員の心も荒むというものだ。そこは対人援助の場とは程遠い場所にならざるを得ない。

そもそも時間がないから、言葉もタメ口になるということは、理由にならない。時間がなくとも言葉は丁寧に出来るはずだ。それはプロの心得以前の問題だろう。

今日の講演は、そんな当たり前のことに気づいてもらうためのものである。それでは沖縄の皆さん、今日と明日、よろしくお願いします。

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Source: masaの介護福祉情報裏板