ナニサマのいない生活

保育園から帰ってくると、孫くんが思い出したように

「どうして、ばあばのお家に行かないの?」

と聞いてきた。

 

さもあらん。

今までは毎日のように、ばあばの家に連れ帰られて、ばあばの家で夕飯食べて帰っていたのに、ここずっと、毎日孫くんちでの夕食である。

その方が孫くんも落ち着くし、何より娘が楽だからだ。

 

私も夕食食べて、ちょっと一休みしたら片付けはせずに帰ってくる。

実は片付けがない分、助かる。(笑)

 

今はざっとこんな生活。

 

すっかりナニサマのいない生活に慣れてしまった。

人間って案外冷たいもんだなあって思った。

10年近くも一緒にいたというのに、いなくなっても何の寂しさもない。

あはは、当たり前か。

離れたくて離れたくて仕方なかった相手だもんね。

寂しいわけ、あるはずないわ。

 

毎日信じられないほどよく眠れるし。

今日なんて起きたら7時過ぎていたから。ビックリだった。

ナニサマがいた時にはありえないことだ。

 

ナニサマの隣の部屋が私たちの寝室である。

これも、同居したときに、ナニサマが心配だから隣で寝てくれと頼まれてから10年近くそうしていた。

初めの4年は夜のトイレも歩いて連れて行っていたので、近くにいないといけなかったわけだ。

夜のトイレ介助に、お風呂の介助。

夫婦二人でよく頑張ったわ。

 

初期のナニサマのワガママぶりと言ったらなかった。

寝るのに頭は熱いからと言って「アイスノン」を、足は寒いからと言って

「湯たんぽ」を。毎日でしたね。

最近は自律神経失調症のせいか、冬でも暑いとか言って、薄目の布団にさせられたり、寝具一つとっても随分振り回されたっけ。

 

介護なさっている嫁様たちも、こんな理不尽な用を言いつけられたり、暴言吐かれたり、やってもやっても報われない虚しさを感じながらも、抜け出せないでおられるんでしょうねえ。

 

私が抜け出せたのは、今思うと

 

奇跡

 

です。

Source: 鬼嫁介護日記