人として生を受け、生かされてきた者ができること

特養で30年以上勤めてきたので、そこで様々な「」を看取ってきた。

中には親子2代にわたってお看取りしたケースもある。20数年前に親を看取った子が、やがて年老いて自らの子に看取られていくときに、最期に過ごす場所として、僕が働いている施設を選択してくれたことに感謝と縁を感じながら、その人が最期の時間をできるだけ安楽に過ごしてもらうことを第一に考えて関わってきた。

その繰り返しが、僕が特養の中で他の職員とともに実践してきた、「看取り介護」である。

その実践論をまとめた「看取りを支える介護実践~命を支える現場から」が今年1月に刊行されて、既に1月以上が過ぎた。おかげさまでたくさんの皆様がその本を購入してくださっている。

文字リンクに張り付いているのは、送料無料で取り寄せができるサイトであるが、ここも一旦売り切れとなり、再入荷して発売が再開されたものだ。そこに表示されている「在庫の残りはあと何冊」の数字が毎日減っていくのを見て、また売り切れになりそうで、その前に再入荷してくれたらよいのに・・・と思ったり、いったいどんな方が、どんな思いでこの本を購入してくださっているのだろうと考えたりしている。

この本は、旅立って行かれる方が最期の時間を過ごすときに、この世に生まれてよかったと心から思うことができるように、その「実践」を支える皆様のヒントになることを願って書いた本である。そうであるからこそ、看取り介護に係るすべての人に、ぜひ一度手に取って読んでいただきたいと思う。そしてできることならば、本を読んでいただいた方がそこで書かれている実践論を参考にして、それぞれのステージで看取り介護を実践し、その質を高めてくださることを願っている。

看取り介護とは、人が最期の瞬間まで生きる喜びを感じることができることを信じて、そうした生き方を支える介護だと思う。

人として、この世に生を受けたこと自体が尊い。人として生まれ、人生という旅を歩むことができるそのことが貴重なのだと思う。だからこそ命が燃え尽きるその瞬間まで、生きるを支えたいと思う。そういう意味で、「看取り介護」とは、この世に生まれたことに感謝する気持ちを捨てることがないように、そこでたくさんエピソードを刻んだことを思い出してもらいながら、最期の瞬間まで安心と安楽に過ごしてもらうために必要な介護だと信じている。

看取り介護の質を高めようとする理由や動機づけとは、人としてこの世に生まれ、生かされていることの感謝にしか過ぎない。それ以外の意味を見出す必要もないと思っている。

だからこそ介護関係者が看取り介護を、「する・しない」、「できる・できない」と判断するのではなく、日常介護の延長線上に、ごく普通に看取り介護の実践があって当然であると考える介護業界になってほしい。看取り介護を特別な介護であると思い込む、「誤解」をなくしたい。

この国に住む民(たみ)が、最期の時をどこで迎えようとも安心して安楽に過ごすことができるような社会になってほしい。そのことに不安を感じる人がいない国にしていきたい。それが今この時代に、介護という職業にかかわっている我々の使命ではないのだろうか。

是非そのためにも僕の看取り介護セミナーに参加してほしい。話を聞いた後に、そのことを本を読んで振り返り、皆さんの実践に生かしてもらいたい。

看取り介護についてたっぷり5時間学ぶことができる日総研看取り介護セミナーは、いよいよあと2カ所を残すのみである。
日総研看取り介護セミナー
3/16(土)の福岡セミナー福岡商工会議所)と3/17(日)の岡山セミナー福武ジョリ―ビル)は、まだ参加申し込み受付しているので、お近くの方は参加を検討してもらいたい。

そのほかにも「看取り介護講演」は全国各地で実施予定だ。2/27(水)と3/14(木)には、東京杉並区の社会福祉法人・浴風園さんの職員研修として、2度にわたって同じ内容の「看取り介護講演」を行う。同会に問い合わせていただくと、お近くの方は受講が可能かもしれないので一報を入れてみてほしい。

北海道では網走市のオホーツク・文化交流センターで、3/2(土)に、ホームヘルパーの研修会として、「看取り介護講演」を行う。非会員は参加費3000円となるが、希望者はどなたも参加できるので、網走市東部、呼人、南部地区地域包括支援センターの山西さんに問い合わせていただきたい。

沖縄でも「看取り介護セミナー」を実施予定だ。
沖縄看取り介護講演
年度末の3月30日(土)13:30~16:15、うるマルシェ(沖縄県うるま市)で実施予定の、「琉球介護コミュニティ協会 主催セミナー」の中で、120分の看取り介護講演を行うので、文字リンク先からお申込みいただきたい。

なおこのセミナーに先駆けて、前日には沖縄県豊見城市でサービスマナー研修を行う。
沖縄サービスマナー研修
沖縄では、1月のうるま市に引き続いて、2回目のサービスマナー研修となるが、定員が限られているので、お申し込みは早めがお勧めである。

今年度の締めとなる沖縄2講演なので、是非たくさんの皆様に受講していただきたくお願い申し上げます。うるま市と豊見城市で愛ましょう。

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Source: masaの介護福祉情報裏板