忙中閑あり?
もともと夫には「ぶらり旅」の癖があるのです。
ナニサマの介護があったので、自由気ままに旅に出るなんてことはここ10年出来なかったわけです。
旅行に行くには、事前にナニサマのショートを取っておく必要があるからです。
久しぶりに、夫がやってくれました。
土曜の昼になろうとしていた時のこと。
「お母さん、今日は予定ある?」
と聞いてきた。
「ない」
「じゃあ、明日は?」
「ない」
すると、夫が
「じゃあ、金沢に寿司食べに行こうか」
と言い出したのである。
「はあ~?なに、バカなこと言ってんのよ」
こんなやり取りがあったのが、12時ちょっと前。
とにかくお昼を食べにちょっと出かけようか、ということになったのです。
昼は各務原の「うな神」でうな丼を。
ところが、この日は超いい天気。
高山あたりまで足を延ばそうということになったのです。
ところが、なぜかまたまた朝の会話が蒸し返して
「金沢じゃなくて富山に寿司を食べに行こう」
と言い出したのです。
高速に乗ることなく、下道で41号線を走ることに。
久しぶりにせせらぎ街道を走ることになったのです。
夕方5時くらいに富山に着きました。
夫はさすがに帰ることは出来ないので、義弟にホテルの予約と、美味しい海鮮を食べさせてくれる店を頼んだのでした。
義弟は富山の中心街のマンションに住んでいます。
ホテルは林立。
デパートもショップも何でもあります。
市電も走っています。
ホテルに到着し、車を預けて義弟のマンションに向かって歩いていると、向こうから義弟が手を振ってきた。
「どうしたの?今、一番仕事が忙しい時じゃないの?」
と。
「忙中閑あり、さ」
と夫。
予約している店に行く前に、私たちは雑貨を買いたかったので、ピアゴに連れて行ってもらったのです。
何しろ、何も持ってきていません。
もちろん、下着も化粧道具も何もかもです。
それで、それらは調達したというわけです。(笑)
義弟の嫁さんも娘たちも土曜だと言うのに、月末月初めということで、仕事だったようで、予約した店で待ち合わせることになったのです。
富山城が目の前に見える日本料理の店です。
お酒も進み、料理も美味しく、話も弾み、あっという間の時間でした。
義弟一家が、快く迎え入れてくれたのが本当に嬉しかった。
ナニサマのことも、義弟夫婦も納得してくれていた。
「10年かあ・・・よくやったよね」
と、義弟は呟いた。
なんだか今まで抱いていたわだかまりも、無くなっていくのを感じた。
気分がよくなって、義弟が、もう一軒連れていきたいところがあると言ったのがANAホテルの最上レストランバー。
富山の夜景が奇麗だった。
時計は12時を回ろうとしていました。
私たちはホテル、義弟たちはマンションへと帰って行きました。
思いがけない再会に、お互い、楽しい時を過ごすことが出来、本当によかった。姪たち二人も、最後まで付き合ってくれた。
私たちは、かえってナニサマのお陰で、絆を深めたのかもしれません。
明日に続く・・・(明日になってしまいましたが(笑))
Source: 鬼嫁介護日記