実は親が作るきょうだい仲

昔、父親が嘆いていたことがあった。

「母親は、特定の子どもをえこひいきしたりするから、きょうだいが揉める原因になるんだよ」と。

 

父方のおばあちゃんは、男2人女5人の7人の子持ちであった。

この女5人の私から見たらおばたちであるが、もはや派閥があるのだ。長女の伯母は認知症で今は施設にいる。なので除外。

あとの4人の叔母たちは大変元気で健在である。

ところが、この4人、1対3という構図になっている。

そしてこの3人が、母親にうまく取り入って母親からの恩恵をずいぶん受けたのである。

だけど、母親と同居し、最期を看取ったのはその1対3の1の方の叔母だったのである。

同居をして介護した見返りに土地家屋をもらったのが、1の叔母である。その裁定をしたのが、私の父だった。

父は3の妹たちからずいぶん恨まれたようだ。

その代わり1の叔母は父を慕っていた。

 

父は母親の生前、3の妹たちが母親に取り入っていることを知っていたので、不器用な1の妹が不憫に思えたのだろう。

 

こうした母親のえこひいきを父は怒っていた。

しかし、父は長男だったこともあって、父親の死後、母親の金銭的な面倒は見ていた。なので、母親も長男の父親には一目置いていた。

 

こうした不平等なきょうだい関係を作ったのは母親の責任だと嘆いていた。

 

こんな話を聞かされて育った私は、自分の子どもを不平等に育てるなんてことはゼッタイしてはいけないと、学んだのである。

 

親が介護されるほど年老いた時、ここに他人である嫁が入ってくる。

世の中、娘が可愛いと言っても実際娘に介護してもらっている人はどのくらいいるだろうか。

未婚の娘なら可能だろうが、既婚しているとそれはどんどんハードルが高くなっていく。

 

で、結局長男が同居し、嫁が介護するという現実が生まれるのだ。

 

娘は同居しない限り、親に対してはいい顔が出来るし、言いたい放題も出来る。

だから、たまに顔を出せば、親も嬉しいだろうし、何言われても可愛いだけ。

そんな娘に嫁は対抗できないよねえ。出来るわけがない。

 

だから、

 

嫁いだ娘は、偉そうにとやかく言わない!

言ってはいけない!

 

そういう関係を作るのはやっぱり親だと思う。

でないと、嫁なんかやってられないわ。

Source: 鬼嫁介護日記