曽孫は4人・・・!?
夫が、ナニサマに長男のところに赤ちゃんが生まれたことを報告に行かないといけないと言い出し、昼過ぎにナニサマのもとへ。
やっぱり、母親のことは気にかけているようだ。
フロアに行くと、利用者の皆さんが集まって何やら楽しそうに、カラオケやら、ゲームしたりして賑やかだった。
ところが、そこにナニサマはいない。
隣の静かなフロアに、ナニサマは一人で新聞を読んでいた。
私たちの顔を見ると、かすかに嬉しそうな顔をした。
「今日は何かね?薬、持ってきてくれたのかね」
って、さすが「薬いのち」のナニサマだわ。
部屋に行くと、職員さんが椅子を持ってきてくれた。
ナニサマに長男ところの赤ちゃんの写真を見せると
「え?もう生まれたの?」
って、まだ頭はしっかりしているわ。
「あら、可愛いねえ」
って、しげしげ眺めておりました。
ここまではスムーズな流れで、なんとか会話は出来ました。
「これで、おばあちゃんも曽孫が5人になったわね」
と、私が言うと、そこから何やら様子がおかしくなった。
「え?5人?なんで5人?」
おいおい、大丈夫か。(+o+)
そして、自分で指を折りながら、
「次男ちゃんのところがこの間生まれて2人、長男ちゃんのところが今度生まれて2人・・・で、4人だわね」
「おばあちゃん、大事な人忘れていませんか?」
「え?だれ?」
「だれって、毎日一緒にご飯を食べていた人だよ」
と言われても、なかなかつながらないようだった。
「毎日、だれと夕飯食べてたんだ?」
と言われて、ようやく娘を思い出したようだ。
「ええ、○○ちゃん、いるわねえ」
「娘のところはだれがいる?」
「え?○○ちゃんのところはだれも生まれていないわね」
思わず夫と顔を見合わせて
「おー、とうとうボケたか」と夫。
夫が娘のところの孫くんの写真を見せると
「あら、○○ちゃんだね」
「誰の子?」
「ん?○○ちゃん(娘)の子だわね」
と普通に答えたのである。
「それじゃあ、曽孫は5人でしょ?」
と、私が言うと、少し躊躇したが、
「あゝそうだね。私、勘違いしてたわね」
とやっと気が付いたのである。
そんなことがあったけれど、顔はいたって元気そう。
「元気そうだね」
と、夫が言うも、なぜかまた聞こえなくなって
「なんだって?」
とまたまた面倒くさいバアサンになってしまいました。
なにもかもやってもらう毎日に、ますますノンストレスで元気になるよね。そして今はそれで満足なんだろう。
帰りに職員さんに
「いつもあんなふうに一人でいるんですか?」
と聞いたら
「そうですね。お一人がお好きみたいです」
と。
「まあ、家でもあんな感じだったもんな。いつも通りと言えばそうだな」
と夫が呟いていましたわ。
Source: 鬼嫁介護日記