ショートからショートへ

今日はナニサマのショートのお引越しの日であります。

長らくお世話になったこのショートともお別れです。

今度は完全にお別れなので、挨拶も兼ねて迎えに夫と共にいきました。荷物も多いと思ったので、上まで取りに上がると、きちんと荷物はまとめてあり、もう行くばっかりになっておりました。

ありがたいことです。

 

ナニサマはそのことがわかっているのかどうか、ただ淡々といつものように軽く礼を言っただけでした。

職員の皆さんは、全員で送ってくださいました。

本当にありがたいことです。

 

夫は車に乗せると、桜でも見せてやりたいと思ったようで、わざわざ桜で有名な公園を通って行ったのだが、ナニサマ、ただ黙っている。

 

「まだ少し早かったかな、桜」と言うと

ようやく反応し、

「あゝ、桜が咲いているねえ」

と言った。

 

耳もかなり遠くなっているようで、こちらの言うことにはなかなか反応しない。

それでも、先回通院の時、夫の車のバンパーに付いたかすり傷が痛く気になっていたみたいで、

「あの傷はもう直ったかね?」

と夫に聞いていた。(笑)

 

そして、しばらくすると

「makoさん?makoさん」

と私の名前を呼び始めた。

えっ!?またなんかしてって話?

すると、期待違わず、

「このねえ、座布団だけどねえ」

車椅子に載せている座布団のことである。

「なんかねえ、薄くなってきちゃって・・・破れそうなんだわね」

私が黙っていると

「新しいいの、買ってくれんかねえ?」

ときた。

「はいはい」

と答えたが、聞こえなかったみたいで、また同じことを繰り返す。

夫が、運転席から大声で

「わかったよ!」

って答えておりましたわ。

 

そうこうしているうちに次のショートに着いた。

とにかく近いところにすべてあるのだ。

ここのショートがある特養をお願いしてあるので、空くまでここで待つということになっているのだ。

なので、前のショートに行くことはないと言ったのだ。

 

5月くらいにはと言う話であったが、ちょっと難しそう。

 

車の乗り降りを見ていても、もうすっかり足が弱っていて、前よりもっと介助が大変になっていた。

なんだかまた一層老け込んだような気がした。

でも、まだまだお迎えは来そうにない。

そこだけは断じて言える。(笑)

 

夫も一応上まで一緒に行ったが、部屋を見ると

「それじゃあ、帰るわ」

と言って、さっさとナニサマにサヨナラ言って、出て行った。

 

確かにもう話すこともないし、これだけ耳が悪いとこちらも話す気にはなれない。

ナニサマも要求以外はおとなしいものである。(笑)

 

久しぶりに顔を見たけど、あまり情も湧かなかった。ゴメン。

Source: 鬼嫁介護日記