これから介護が始まる方へ

この1月に実質介護を終えることになった私が、言うのもなんですが、

在宅介護は本当に苛酷ですから、心身が病まないうちに見切りをつける勇気も必要だと思います。

 

未だに、介護に苦しんでいるお嫁さんたちがたくさんおられることに胸を痛めております。

 

私も始まって2年ほどは無我夢中で、いいとか悪いとか、そんな選択肢は一切なく、ただひたすら頑張るしかないと自分を奮い立たせていた毎日だったように思います。

 

介護で仕事を辞める方は、やはり女性の方が多いようですが、私はお陰様で辞めることなく全うできたことが自慢です。

むしろ辞めなかったから、在宅介護が続けられたってこともあります。

仕事をしている間は、介護のことは忘れられますからね。

 

だいたい介護なんてものは、終わりが見えないだけでなく非常に達成感が得られにくい虚しい活動でもあるわけです。

 

相手は高齢の年寄り。

介護を必要とする高齢者が元気なわけもなく、動かない自分の体にいら立ちを覚えることはあっても、世話をしてくれる人に感謝する余裕もなく、ひたすら自己中の自分をさらけ出すだけですから、介護するものにとっては楽しい事なんかありません。

あるとしたら、それはかすかな自己満足です。

 

なぐり書きされたメモにこんなことが。

 

いい子にならなくていいんです。

いい子は幸せを人にゆずっちゃうから。

いい嫁になんかなっちゃダメ。

いい嫁っていい女中。

あなたが笑うと、あなたの大切な人が笑うよ。

 

今やどこからの引用なのか、わかりませんが、今読んでも本当にそう思います。

 

でも在宅介護って始めちゃうと簡単にはやめられないんですよ。

そこがつらいところ。

不機嫌になった妻をいたわってくれるのは介護が始まった当初だけ。

慣れてくると、やってもらうことが当たり前になって、不機嫌になった妻を避けるだけで、労うことも忘れてしまう亭主。

こうしてしだいに心を病んでいく嫁さんも多いのではないだろうか。

 

つらいのは、もう一つ。

義親のお迎えをひたすら待つ嫁のブラックな心。

今や大事にし尽されている親たちが、介護が必要になったからといってもさっさと逝かれる方は皆無。

頭は壊れても、足腰立たなくなっても、信じられない量の薬を飲んで、命はいつまでも永らえ、介護するものの方が先に倒れて先に逝ってしまうという例もたくさんある。

 

だからといって、施設に入るにもお金がかかる。

だれもが心地よい老後を送れるなんてこれからは幻想になるかもしれない。

 

人生100までと言うなら、せめて90まで人の世話にならなくても生きていける人間を作ってほしい。

無理よねえ・・・

Source: 鬼嫁介護日記