ナニサマにも悩みはあった!?
相変わらずツッコミどころ満載なナニサマです。
今日は、夫が仕事なので私が一人でナニサマのところへ、例の目薬を持って行ってきました。
受付に用紙が置いてあって、面会の記述をしなくてはならない。
何時から何時までいるのかを書かなくてはならない。
時計を見ると、1:38。
何時までいるかって、う~ん、10分ぐらい?
それでも一応2:00と書いておいた。
事務所の窓口で、いつも電話を下さる相談員さんと目が合ったので、出てこられて、
「何かご家族様にお話ししたいことがあると言って、待っておられましたよ」とおっしゃる。
ん?なにごと?
フロアに行くと、ナニサマの姿はない。
「あ、今、部屋で横になっておられます」
と背の高い大柄な男の職員さんが教えてくれた。
そっかー、この時間はお昼寝とバアチャンのルーティンだったわ。
職員さんが起こしてくれた。
いつでも寝れるものね。
夫の話では、目ヤニで目がつぶれていると言うことだった。
「おばあちゃん、目の調子はどうですか?」
と言ったら、不思議、ちゃんと返事しましたよ。
「あー、目ヤニが出てたんだけどね」
と、言ったが潰れているようには見えません。
「お薬、持ってきたからね」
「ああ、ありがと」
足のむくみも看てあげた。
右は大丈夫だったが、左はまだ少し残っているようだが随分改善されていると見受けられた。
「もうね、足をクッションの上に置くのは嫌なんだわね」
「浮腫むんだもの、仕方ないでしょ」
「疲れるんだわ」
「じゃあ、そう言いなさいな。言ってあげようか」
「言ってちょうだい」
命から2番目に大事にしていた補助具ももうすっかり外してしまって、引き出しの中に仕舞ってあった。
しかも、靴下も短いのを履いておりましたわ。(笑)
「おばあちゃん、歩かないから浮腫むんだよ。少しは歩かないと」
「もう、私は歩けないわね」
「補助具外して立ち上がれるの?」
「立ち上がれないわね。私はもう寝たっきりになるのかね?」
「おばあちゃん、それを決めるのはあなたです。おばあちゃんが歩こうと努力すれば寝たきりにはなりませんよ」
「もう1カ月も歩いていないから、まったく歩けないわね」
「おばあちゃん、歩こうという気持ちがあれば、歩けます。せめて、立ち上がる練習はしなさい」
「もう立てないんだわね」
とまあ、すっかり悲劇のヒロインですわ。
「で、おばあちゃん、何か話したいことがあるんだって?」
「あゝ・・・私はどうなるの?」
「どうなるって、ここにいるだけですよ」
「○○(夫)が、夏ごろまでしかここにおられないって言うんだわね」
「それまでにお部屋が空いたら、上の老人ホームへ行きますよ」
「え?上に老人ホームがあるのかね?」
「そうですよ。そう話しましたけど」
「私は老人ホームに行くのかね?」
「はい、そうですよ。歩けない、立ち上がれない、着替えできない、何もできないおばあちゃんを引き取って面倒見ることは私には出来ませんから」
「そうだわねえ。わかってるわねえ」
と、寂しそう。
あらあら、バアチャンも一応悩むのね。
「早く死ねればいいのにねえ」
「そうですね。おばあちゃん、今や100歳以上は6万人もいるんですよ。そう簡単には死にませんし、死ねません」
「そうかね。そんなにいるんかね」
と、納得した模様。(笑)
「だから、おばあちゃんも何かすることを見つけなさい。今までやっていた塗り絵はどうしたの?」
「塗り絵?いやいやそんなことはもう出来ないわね」
「なんで?」
「もうね、手が震っちゃって、鉛筆持てないんだわね」
「ご飯は?」
「あゝ箸もやっと持てるって感じなんだわね。こぼしてばっかり」
「それだって、やらないとどんどんやれなくなるんだよ。
おばあちゃんは、あれもやれない、これもやれない、ってそんなことばかり言ってないで頑張って!」
と叱咤激励?(笑)
「ここの職員さんも怖いんだわね」
「え?どういうこと」
「なんかね、乱暴なんだわね」
「たとえば?」
「たとえば?・・・・・・」
しばらく黙っていたと思ったら
「いいわね、いいわね、何でもないわね」
「言いたいことあったら言ってごらん」
「・・・・・・こないだねえ、枕直してって言ったんだわ・・・いや、もう何でもない、何でもないわね」
これは後で職員さんに聞いたところによると、とにかく依存が強いバアチャンは、枕一つ、曲がってるから直せって言うらしい。
家にいる時と少しも変わらない。
布団が曲がった、枕がなんかきちんとしてない、直して。
私のストレスの一つ。
職員さんだっていちいち呼ばれてこんな用事では、腹も立つよね。
それで、職員さん、
「枕の位置は自分が一番わかることだから、自分でやって」って言ったら、ムッとしていたって。(笑)
フロアに行きたいと、ナースコールを押したナニサマ。
二人の職員さんがやってきてくれました。
例の大きな男の職員さん、
ベッドのリクライニングを上げて、
「さあ、頑張って立ちましょう」
と言ったら、ナニサマ、立てないとか言ってたのに立ちましたよ。
車椅子に移乗すると
「はい、いつものように自分で動かしてくださいよ」
と自立を促してくださる。
もう、バアチャン、嘘ばっかり!!
さてさて、続きます。
Source: 鬼嫁介護日記