ナニサマのカウンセリング
先回のナニサマ訪問の続きです。
10分で帰るところが、寂しがり屋のナニサマが可哀想になって、ついつい長居をしてしまった私なのであります。
何より、夫と行くと、
「えっ!?えっ!?」
と聞き返すナニサマが、私との会話で一度も聞き返さないのです。
あまりに聞こえない様子に、集音器を買うことになったのだが、夫が持って行ったところ剣もホロホロに
「持って帰って!」
と言った代物です。
ひょっとしたらと期待をしていったのですが、
集音器はケースに入ったまま引き出しの中に鎮座しておりました。
kunkoさん、期待に添えずスミマセン。
「おばあちゃん、これ、使わないの?」
「あゝそれ?あゝ嫌だわね。そんなもの使いたくないわね!」
と、珍しく声を荒げた。
「なんで?初めから使える人はいないみたいよ。少しずつ練習して使いこなしていくといいのよ」
と言ってみたが、
「いやいや、ピーとかキーとか言って、とてもじゃない使えないわね」
と力を入れる。
「あー、makoさん、持って帰って!耳に入れるのも嫌だわね!」
と、まったくの拒絶反応があるのみでした。
さすがのナニサマも使いこなすことは出来なかったか。
まあ、なんていったってもうすぐ94歳だもんね。
不自由な体では、やる気もないか。
それにしても、確かにこの日のナニサマは、私と普通に会話が成り立っている。どういうこっちゃ。
職員さんには、依存が強い姑だが、なるべく出来ることはやらせてくださいと、お願いしておいた。
職員さんも複雑でしょうねえ。
「自分でやりなさい」
って言うと、うちのナニサマのように
「あの人、怖いんだわね」
「あの人、何もやってくれないんだわね」
と、真顔で訴えてくるでしょうから。
女はいくつになっても、人の悪口は平気で言いますからね。(苦笑)
相変わらずトイレでズボン上げてもらったら、ズボンが少し曲がっているだの、シャツがきちんと入っていないだのと、よくもまあクレーム付けれるわって溜息が出ましたわ。
フロアまで同行し、ナニサマには
「じゃあ、帰るね」
と声をかけると
「makoさん、また来てね。また来てね」
と、私の手を握っておりましたわ。
面会時間一応2:00って書いておいたけど・・・・・・
ギョギョギョギョギョ!
2:38
10分どころか1時間もいましたわ!!
バアチャンのカウンセリングと思うことにしました。
帰ってきて夫に言ったら
「へー、ご苦労様。俺の時は、『え?』って聞き返してばかりで会話にならなくて、あげく『もう帰っていいよ』って追い返されたけどな。(笑)」
ですって。
Source: 鬼嫁介護日記