10連休は職員の5月病につながっていないか?

GWの10連休が終わって、今日から仕事という人が多いのかもしれない。そういう人にとっては、今朝の出勤はとても憂鬱なものであったのではないだろうか。いつまでも連休気分を引きずることなく、一日も早く日常を取り戻してほしいものだ。

しかし介護関連の職業についている人は、そのような世間の暦とは関係なく働いておられた人が多いだろう。特に介護職員でシフト勤務の人は、GWとか連休という言葉とは無縁だという人が多いはずだ。

シフト勤務のある職場で、暦通りに休みを取れた人たちは、その休み中に勤務をしてくれていた人に感謝の気持ちを忘れないでほしい。そういう気持ちがないと職場の環境は悪くなることはあっても、決して良くはならないからだ。

介護施設は24時間365日の営業なので、シフト勤務者が自分の休みの時に働いているのは当たり前だと思いがちだが、世間の多くの人が休んでいるときに働いている人の気持ちも様々である。

世間がGWの10連休という言葉に浮かれて遊んでいるときに、介護支援が必要な人を、自分が働いて支えているということに使命と誇りを感じている人ばかりではなく、そのことを当然とされる職場に疑問を持ち始めている人がいてもおかしくないわけである。

暦通りに休めないことに疑問を感じる人は、その職業に向いていないと短絡的に評価するのではなく、シフト勤務であるとわかって職業を選んでいる人が、なぜそのような疑問を持ち、やる気を失ってしまうのかということを考えてほしい。

その原因がシフト勤務者に対する労りと感謝の気持ちに欠ける職場の雰囲気であるとしたら、それは改善すべき重要課題と言えるのではないだろうか。

施設長や事務管理部門が暦通りに休むことは否定されるべきではないが、長い連休の間も滞りなく施設サービスが提供されるために働いてくれる、シフト勤務者に感謝の気持ちを持って、暦の上での連休が終わった後に、同じように休みが取れるようにシフトを工夫するという努力も忘れてはならないのだと思う。

職場のモチベーションとは、そうしたお互いの思いやりによって高まりもするし、低まりもするのだろう。特に介護施設などの経営者は、自分が休んでいるときに、シフト勤務者が働いているのは当然だと考え、そのことに何の労りの気持ちを持たないことは、後々重大な問題を引き起こしかねないと肝に銘じてほしい。

そもそもこの5月という時期はなかなか難しい時期である。昔から五月病という言葉がある。それは新人社員等が新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称である。

入社1カ月は多くの新人にとって、「この職場で働き続けるべきなのか?」といった不安に揺れる時期だ。この時期に自信を失ったり、考えすぎたり、将来への不安を感じたりしてうつ病に似た症状が出る人が多い。精神科に受診する人も増え、「適応障害」あるいは「うつ病」と診断される人が出てくる。一旦うつ病と診断された人で、うつ病が完治するケースは少ない。うつ病とはいったん発症したら2/3が寛解(完治はしていないが症状がなくなった状態)となっても、そのうち半分以上が再発するという怖い病気だ。

五月病として「うつ病」になってしまうと、元の状態で職場復帰できる人は2割もいないという事実がある。それは貴重な人材を失う大きな要因ともいえるわけである。だからこそいかにうつ病にならないように対策することが一番大事なのであり、事業経営者にとって、この時期のストレスマネジメントは非常に重要な課題となっているのである。

今年のGWは、かつてない大型連休になっているのだから、我々の予測を超えた様々な症状を生んでいるかもしれない。休んで10日仕事を離れた人が、今日から日常業務に戻って感じるストレスにも配慮が欠かせないし、ましてや同じ時期に連休など関係なく日常業務を黙々とこなしていた人々のストレスに対する配慮にも欠かせないのである。

思い返せば2018年の連休後には、「新入社員の4割超がゴールデンウィーク中に転職サイトに登録した」といった報道もあった。今回それ以上の大型連休になったわけであるから、その数はもっと増えるのかもしれない。

そうした現状を認識したうえで、管理者や管理職は、部下である従業員と日々の対話を心がける必要がある。日ごろから従業員や部下との信頼関係を築いておき、もしも不調になった場合に、それに伴う課題と解消努力への共通理解が持てる素地を作っておくことが何よりも大事だ。

どちらにしても介護事業経営者や管理職は、従業員のストレスやメンタルヘルスに向き合い、常に改善を心がけていく必要があることを十分理解すべきである。その最大要因が10連休ということにならないように、職場の中でシフト勤務者と非シフト勤務者の、「意識の格差」が生じないように配慮すること最大の課題となる。

その時、「ありがとう」という言葉が職場を支える礎になるかもしれないということを忘れないでほしい。
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Source: masaの介護福祉情報裏板