ディスカッションはバトルがあった方が良い

先週土曜日に行われた連合主催の「医療介護フェス2019」(日本教育会館)では、久しぶりに面白い議論ができた。

会場には全国から連合会員が600人以上集まって、それだけでも熱気むんむんである。
合主催・医療介護フェス2019
このフェスは、#医療介護フェスで、ツイッター上にリアルタイムで配信され、会場で受講している人も、そこに意見を書き込むという形で行われた。

午前中は四国医療産業研究所所長で医師である櫃本真聿先生と僕が、それぞれ60分の講演を行い、午後から合計110分にわたるパネルディスカッションが行われた。

パネルディスカッションといっても多くは、それぞれのパネラーが意見を述べた後、進行役の人が会場から意見・質問を拾って、パネラーに振り、パネラーはその意見や質問に答えるだけで終わることが多く、パネラー間での議論が白熱することは少ない。お互いの意見については「おっしゃる通り」とされて、お手盛りシャンシャンで終わることが多いのではないだろうか。
合主催・医療介護フェス2019パネルディスカッション
ところが当日のパネルディスカッションは趣を異にした。上の画像が当日のパネラーが並んで座った写真画像であるが、「地域包括ケアシステム」や「人材確保」について討論する中で、櫃本(ひつもと)先生が仕掛けられて、僕の意見に対して、「異見」を示したことで、両者の議論が白熱化するという一幕があった。それは会場の皆さんには、まさに「バトル」と映ったようで、会場全体の熱気が一気に上昇したのを肌で感じた。

その時ツイッターの投稿が一番増えたそうである。まさに会場を沸かそうとした櫃本先生の意図が大当たりという訳である。

バトルの中心になった議論内容を詳しく解説することはできないが、簡単に言えば僕は、「地域包括ケアシステムの肝になるものは、地域ケア会議で、これを形骸化させずに、困難ケースの検討を積み重ねて地域課題をきちんと抽出しながら、困難ケースの解決の実績から、地域問題介入へのエビデンスを創っていくことが大事だ」としたのに対して、櫃本先生は「困難ケースを解決して地域包括ケアが機能することにはならない。」といった議論になったように記憶している。その議論展開は、さらに別の課題についても引き続いていった。

そのことについて当日の受講者であったある方が、表の掲示板の関連スレッドにshenron1972さんというHNで、次のように意見を書いてくださっている。
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介護職員などを増やす為にどうすれば良いか?との質問に対し、masaさんは「専門性の高さや本物として背中を見せていく事」を言われていました。
櫃本先生は「それではいけない。現場が疲弊していくだけ」と言われていました。

これについては、各論と総論の違いであり、masaさんは各論での「専門性・技術力の高い職員」について言われていたのに対し、櫃本先生は総論で「全体(目的)の見れない専門バカはいけない」と言われていると解釈しました。(櫃本先生はmasaさんの意見を総論として誤指摘されたのだと思います)

『専門性・技術力の高い職員』 = 『全体(目的)の見れない専門バカはいらない』であって、全体を見た時には『全体(目的)の見れない疲弊していく専門バカはいらない』だけれども、実務上の現状では『専門性・技術力の高くスキル維持・向上の出来る職員が必要』だと思いました。
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このように受講された方がバトルにも似た議論の内容を、それぞれに分析して、それぞれの考え方につながるものがあれば良いのではないだろうか。なんとなくパネラーの意見を聞いたなあ、というだけで終わらず、こうした議論があったと印象に残ることが、考えるきっかけになってくれれば良いと思う。その過程で疑問がある部分は、セミナー主催事務局を通じて質問いただければ、自分の考えの範囲で真摯にお答えさせていただくつもりである。

ただし当日のパネルディスカッションは、バトルに終始したわけではなく、お互いの意見を認め合う場面も多々あり、全体を通じては有意義で建設的な議論ができたと感じている。会場の皆様も満足できた内容であったのではないのだろうか。

下の画像は、フェスのあとの懇親会での一場面である。
合主催・医療介護フェス2019後のオフ会
櫃本先生と西東京市の後藤先生、後ろで手を振ってくださっているのは、今回のフェスでスペシャルライブで盛り上げてくれた、清水わかなさん。彼女は介護福祉士の資格を持ち、介護施設等でボランティアをしながら全国で唄っているウルトラソウルミュージシャンである。

せっかくだから、事務局の方が撮影してくれた僕の講演写真も載せておこう。
連合主催・医療介護フェス2019
合主催・医療介護フェス2019
自分の講演を自分で撮影することはできないので、こういう画像は自分にとっては貴重な画像である。

このような機会をくださったフェス主催者の連合の皆さんには、心より感謝を申し上げたい。ありがとうございました。

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Source: masaの介護福祉情報裏板