終末期の安楽支援に必要な知識

看取り介護の際に、対象者の意識が無い状態で、息をするたびにのどの奥でゴロゴロと音がする ことがある。呼気・吸気両方で音がする場合が多いのだが、この状態を死前喘鳴(デスラッセル:Death Rattle)と呼ぶ。
(※意識があり、咳き込みながら、喉がごろごろと音がすれば、死前喘鳴ではないことにちゅいが必要。)

死前喘鳴は、数時間ないし数日間で死に至る可能性があるということを示す徴候で、48時間以内にお別れの瞬間が来るといわれている。

このとき家族等から苦しそうな音を出しているから、痰を吸引してほしいと言われることがあるが、吸引しても痰がない場合がほとんどであり、音は出なくならない。

死前喘鳴の原因音は、喉の奥で唾液が溜まっていたり、気道の分泌物が鳴る音であったりするので、痰が原因ではなく、苦しみも伴わないものなのである。よって、のどの奥にチューブを突っ込んで、痰を吸引することはかえって苦痛を与える状態と言えるのである。

そうしたことを、死前喘鳴という状態がみられ、家族が痰の吸引を望んで訴えたときに説明するのではなく、看取り介護に移行する際に、終末期の身体状況として予測される状態として、あらかじめ説明しておくことが大事であり、こうした死前喘鳴や下顎呼吸などの原因や対処法、苦しんでいる状態ではないことを説明するために、「愛する人の旅立ちにあたって」というパンフレットを作ったのは平成22年のことである。

そのパンフレットは、「看取りを支える介護実践~命と向き合う現場から」に最新バージョンを掲載しているので、参考にしてそれぞれの事業者に見合った説明書式を作成していただきたい。


Source: masaの介護福祉情報裏板