自己中老人
昨日、姉の見舞いに行ってきた。
いつも通り機嫌のいい姉だった。
「雨なのに、わざわざありがとうね」と。
点滴は外れて、体に一つ器具が付いているだけになっていた。
お陰で、せっかく病室にシャワーが付いているというのに、使えないと言って嘆いていた。
シャワー室が付いている個室はそれだけで3千円高いそうだ。
体重は5キロ減ったそうだ。
それだけ水分が入っていたというわけだ。
やはりなかなか良眠が取れないようで、睡眠導入剤をもらって飲んでいるそうだ。
「しっかり寝れて、途中トイレに起きることもないのよ。すごいわねえ」
と。
ところが、お隣の部屋のおじいさんがうるさくて、朝5時頃には起こされるそうだ。
個室なのだが、壁が厚いわけではないので、聞こえてくるのだそうだ。
「朝一番から『看護婦さーん、看護婦さーん!!』って大声で呼ぶのよ」
聞けば、あまりにもナースコールを頻繁に押すので、ナースコールを取り上げられたらしい。(笑)
あれ?どこぞにもそんな年寄りがおりましたがな。
「10分おきにナースコールを押すんですよ。まあ、認知症だからだと思うんですけどね」
と、かかりつけの病院でない病院に救急車で搬送されたときのことだ。
あの時も、骨折だったかと思う。
姉によれば、どんなにしっかりしているようでも、周りのことが考えられなくなったら軽い認知症を発症しているとのこと。
まあ、ナニサマの場合は、普段の性格から人使いが荒い人だったから急にそうなったわけではないのでハッキリしないところはあるのね。
もっとも認知症テストでは、ギリギリクリアしているんだよね。
限りなくグレーゾーンとは言われているけどね。
ナニサマの場合は、もともと性格が悪いから、周りが見えなくなっているのか、使えるものはだれでも使えと思っているのか、とにかく認知症だと思えれば、もう少し寛大になれたかもしれないけど、もう無理。
姉の隣の部屋の住人も周りが見えない自己中老人なんだろうなあと。
姉夫婦も夫も心臓でひっかかった。
昔ならそれで亡くなっていたところだ。
そう思うと、医学の進歩は本当にありがたいけれど、人の世話でしか生きていけない自己中老人もいっぱい生み出してしまったということか。
日々、人生の勉強だ。
Source: 鬼嫁介護日記